大飯原発差止判決

大飯原発の運転を差し止めた一昨日の福井地裁判決は画期的なものだ。米国の最高裁判所は、議会で成立する『多数の正義』をしばしば憲法上の判断で簡単に覆すことで知られるが、日本の裁判所は「そこは政治で決めてください」と安易に『統治行為論』で逃げてしまうことが多い。ところが、今回の判決は、いつもの『統治行為論』に逃げ込まずに、生命を守り生活を維持するという人格権は、原子力を使って電気を生産するという経済的自由権よりも憲法上、上位の基本的人権であるという法理で、大胆に司法判断を示した。日本にも骨のある裁判官がいるものだ、と正直、感心した。日本は三権分立と言いながら、司法の影が一番薄い。司法がこういう正論を吐くことで、日本の統治機構がより洗練されていくのではないか。控訴審の行方を注目したい。判決要旨全文は以下のサイトで読めます。www.news-pj.net/diary/1001