イラク戦争の内幕ドキュメンタリー

NHKの衛星放送1で「「それは9.11から始まった」(前・後編)を観る。9・11同時多発テロに対する報復をあくまで実行犯と目されるテロリストに限定しようとするCIA・国務省と何とかイラクまで拡大しようとするチェイニー副大統領・国防省のすさまじい攻防の内幕が赤裸々に描かれている。

結果は、政権内の権力闘争に習熟したチェイニー副大統領とラムズフェルド防大臣の勝利に終わり、テネットCIA長官とパウエル国務長官は辞任する。恐ろしいのは、イラク大量破壊兵器が存在しないことをCIAは知っていたのに、チェイニー副大統領の政治的圧力に屈して事実を歪曲していったことだ。要するに、イラク戦争は間違いだったという告発ドキュメンタリーだ。

何ともすさまじいドキュメンタリーである。ようやく右に振れすぎていたアメリカのジャーナリズムの振り子が元に戻ろうとしているようだ。のこうしたドキュメンタリーが作られること自体、ブッシュ政権の終焉が始まっているということだろう。