島耕作の専務昇進

漫画の週刊モーニング最新号(47号)によると、島耕作はいよいよ専務になるらしい。課長から始まって、部長、取締役、常務、専務と順調に出世している。島耕作はいわば団塊の世代の成功組の代表であろう。

島耕作シリーズは取材が綿密にしてあるので、読み返してみると、
その時々の日本や世界の情勢がよく分かるし、後知恵であの当時はまさかこうなるとは思っていなかったんだなぁという感慨にとらわれる。

常務時代の島耕作は中国やインドでビジネスを展開しており、最新の中国情勢やインド情勢について大変、勉強になった。専務になると、アジアだけでなく世界全体の情勢の取材をベースにした物語になるはずなので、どんな展開になるか楽しみだ。

作者の弘兼憲史のすごいところは、団塊の世代の成功物語だけでなく、初老に入った団塊の世代恋物語である「黄昏流星群」という作品を同時進行させているところである。

数年前までは、「黄昏流星群」は読む気もしなかったが、自分自身が50を過ぎると、「黄昏流星群」に出てくる団塊の世代の主人公たちの気持ちがよく分かるようになる。弘兼憲史という自分たちの世代の表現者を得た団塊の世代は幸せである。