防災訓練とピアノのコンサート

午前中、僕の住んでいるアパートのすぐ横にある春山小学校のグラウンドで行われた防災訓練に参加した。

これは、2004年7月に起きた福井豪雨の際の経験を教訓に、「政府におんぶにだっこの『公助』だけでも、自分のことは自分で守る『自助』だけでも、天災からは身を守れない。お互い様の精神で助け合う『共助』が必要」との考え方の下に、福井市が勧めている自治会主導の防災組織作りの一環として行われたものである。

消火器の使い方から始まって、毛布による応急担架の作り方、三角巾の使い方、仮設トイレの組み立て方など極めて実践的なものであった。「一度、体験していれば、とっさの時に身体が思い出す」という消防団の方の説明には説得力があった。

実際に自分でやってみるとなるほどと目から鱗の体験の連続であった。また、普段はあまり顔を合わせない都市住民の間で絆を作るのにも意味があると感じた。

午後からは、ハーモニーホールで開かれたピアノのコンサートに出かけた。といっても、僕がいつもお世話になっていて、ピアノの先生をしている福山真里さんの生徒さんたちの発表会である。最後に出てきた真里さんの話によれば、ほとんどの子供たちがハーモニーホールという場と聴衆の前に一人でピアノの前に座った途端に頭の中が真っ白になって、通常の力の半分も出せずに、自分の出番が終わった後、楽屋で一時間ほど泣いていたそうだ。

「家に帰ってからもまた泣くでしょうが、こうした経験を積んで強い精神力を養って欲しい。ご家族の方も支えてあげてください」という真里さんの言葉に先生の愛情を感じてほのぼのとした気持ちになった。