30年ぶりの東大訪問

卒業して約30年ぶりに母校の東京大学を訪れた。

三四郎池のそばの丘に立つ山上会館で開かれた「サンゴ再生技術による地球温暖化防止ならびに多様性生物の保護についての専門家会議」というややこしい名前の会議に参加するためである。

事務局をされている東大の先輩の安田公昭さんから島嶼諸国との交渉役として手伝って欲しいと誘われた。

サンゴ礁の話は複雑でややこしいので詳しい話は避けるが、簡単に言うと、地球温暖化防止のために海の中でサンゴの植林をしようということである。サンゴは海の中で光合成により二酸化炭素を酸素に変えているのである。

会議に参加して、東大も変わったものだと思った。これまでのように国頼みでは研究費を獲得できないから、研究テーマを広く世間にアピールして、研究費を集めたいという熱意が伺えた。コーディネーターを務めた小暮一啓東大教授も腰が低く、まったく東大教授らしくなかった。国立大学を独立行政法人に変えた小泉改革は成功だったようだ。

会議が終わってから、懐かしくてキャンパスの中をぶらぶらした。

生協の書籍部を覗いてみたら、法学部らしき学生が試験の予想問題について議論していた。正門を出たところで森川食堂への道を聞いた女子学生も法学部の学生らしく、やはり、試験の予想問題について話していた。法学部の学生は相も変わらず試験漬けの毎日を過ごしているようで苦笑した。学生気質は30年前とまったく変わっていないらしい。