談合疑惑

昨年から捜査が進められていた九頭竜川用水の談合疑惑で11名の逮捕者が出た。昨年11月の家宅捜索以来、なかなか捜査が進まないので、一時は政治的圧力に負けて腰砕けになったのではないかと心配していたが、むしろ、一網打尽にするために細心かつ緻密な捜査を続けていたということらしい。

そもそも、2005年の福井県の平均落札率は96.5%で、官製談合が明らかになった宮崎県の96.6%に次いで2番目の高さである。予定価格に対する落札価格の比率を「落札率」と言い、一般的には落札率が高ければ高いほど、談合が行われている疑いが強くなる。これでお咎めなしだったら、県警に対する信頼が失墜するところだった。

また、事件の報道で目を引くのは、県警が暴力団関与の解明を進めているという点である。以前から、公共事業の談合に暴力団が関与しているという話は聞いていたが、暴力団が関与するという意味がよく分からなかった。

報道によれば、暴力団とつながりがある建設業者の無言の圧力に他の建設業者が談合で負けるということのようだ。つまり、①公正な競争の代わりに談合する、②その談合においては会社の経営力よりも暴力団とのつながりがものを言う、という二重構造になっているようだ。

表のルール以外に裏のルールが支配しているということが社会を暗くし、社会の活力をそぐ。公正で自由な社会を実現するために、県警には徹底的な真相究明と責任追及を行ってもらいたいものだ。