福井市長選挙の新局面

 前田県議が市民不在の福井市長選挙に抗議する形で、出馬の意思を固めた模様だ。

 福井県議会にもサムライがいたということである。県議会で大先輩である前田県議のこれまでの印象は、議論が紛糾したときに言葉巧みに場を収める温厚かつ老練な政治家というものであった。その温厚な前田県議にこうした正義感あふれる熱血漢としての一面があったとは意外だったが、今回の政治行動には強く共感する。政治家は行政マンとは違う。政治信念を貫くためには、時に損得勘定を度外視した行動を取れるのが政治家である。

 前田県議が「選挙は市議ではなく市民に信任を問うもの」と仰っているように、福井市長を決めるのは、一部の権力者でなく、福井市民一人ひとりである。今後、前田県議には保守系一本化という名目で多方面から様々な有形無形の圧力がかけられることが予想されるが、民主主義を封殺するような動きは断固として許すべきでない。今回の福井市長選挙は、福井市いや福井県が大きく変われるかどうかの分水嶺となろう。